日々の農作業や漁業、生産管理に追われる中、
「自分たちが育てた商品の価値を、もっとダイレクトにお客様に届けたい」
そう感じたことはありませんか?
(株)矢野経済研究所が実施した「国内の産直ビジネスに関する調査」によれば、従来の卸売市場などを経由せず、産地から直接消費者や小売へ流通する産直農産品の市場規模は3兆円台後半へと着実にすそ野を広げています。
産直農産品市場が成長、
農産品市場全体に占める産直農産品の構成比は
2023年の36.3%から2030年は41.9%まで拡大を予測
コロナ禍をきっかけに広がったオンラインでの直売や産直ECの利用は、一時的なブームにとどまらず、消費者の間に「生産者の顔が見える安全で美味しいものを買いたい」という選択肢としてしっかりと定着していることがわかります。
こうした流通や消費の変化のなかで、生産現場では今、どのような意識の変化が起きているのでしょうか。
「卸して終わり」から、価値を選ぶ時代へ
これまでの農業や水産業の多くは、「収穫したものを市場や出荷団体に引き渡す」という形が主流でした。もちろん、大量の作物を安定して全国に流通させるうえで、この仕組みは今でもなくてはならない基盤です。
一方で、資材費やエネルギー価格の高騰が続く中、「価格を自分たちで決められない」「こだわりの品質がそのまま収益に反映されにくい」というジレンマを抱える現場も少なくありません。
そうした中で、オンラインの直売所やSNS、仕組みを活用して、価格競争に巻き込まれない「直送モデル」を取り入れる動きが全国で広がっています。
「おいしい理由」を伝えることが、次のファンを生む
産直やダイレクト販売の現場で成果を上げている生産者の方々に共通しているのは、単に「野菜や魚、米を売っている」のではなく、「その作物が育った背景や、こだわりというストーリーをいっしょに届けている」点にあります。
例えば、
- なぜこの土や水、環境にこだわっているのか
- どんな想いで毎日の作業や収穫をしているのか
- どんな風に食べると一番美味しいのか
そうした情報は、ただの「商品名と価格」よりも、買い手にとって何倍も価値のある情報です。
「あなたから買いたい」と言ってくれるファンと直接つながることは、価格以外の大きな強みを生み出します。
生産現場の「新しい選択肢」をどう活かすか
すべての販路を直売に切り替える必要はありません。
大切なのは、これまでの市場出荷という安定軸を持ちつつも、自分たちの手で直接届けられる「小さなパイプ」を少しずつ持っておくこと。
「作って終わり」の流通から、お客様と直接つながる「届ける」の仕組みへ
手間や負担を最小限に抑えながら、自分たちのこだわりを正しく評価してもらうための工夫は、これからの現場をしなやかに続けるための大きなヒントになります。
日々のこだわりが正しく報われ、選ばれ続けるための新しい流通の形について、これからも考えていきたいと思います。
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